学童の声帯結節

2021年8月10日

学童の1~2割に嗄声(声がれ)を認め、その半数以上は声帯結節を認めると言われています。声帯結節とは、左右の声帯が最も擦れ合う場所に腫瘤ができます。声帯結節の病態は音声酷使によって声帯粘膜の損傷をきっかけに隆起性の炎症性病変が生じます。学童、教師、保育士などで多くみられます。身近な職業とは言えませんが歌手も多いとも言われています。

学童においては男児に多く、発症時期は3歳ごろから急増し、小学校低学年がピークで、11~13歳ごろから急激に減少していきます。

学童の声帯結節は成長過程で軽快することも多く、年に1~2回の診察でよいと思われます。

経過観察で、1割弱の患児は結節が不変であり、音声治療をおこなっても、患児の2割は思春期以降も音声障害が残存し、音声障害が残った患児は、男児と比較して有意に女児が多いとの報告があります。

自然軽快が多い疾患ですが、音声障害が残存することもあり、慎重な経過観察が必要とされています。