当院で診療する鼻のおもな病気についてご説明します。
掲載している病気以外も診療いたします。花粉症、鼻水、鼻づまりなどお困りごとがございましたら、お気軽に受診ください。
アレルギー性鼻炎
くしゃみ、水のような鼻水、鼻づまりが主な症状です。目や耳のかゆみ、のどの違和感や体のだるさを伴うこともあります。
すぎ、ひのきなどの季節性アレルギー性鼻炎とダニ、ハウスダストなどの通年性アレルギー性鼻炎があります。
治療は内服薬、点鼻薬、点眼薬の薬物療法が中心になります。くしゃみ、鼻水が強いタイプ、鼻づまりが強いタイプでは選択する薬剤が異なることがあります。手術治療にはレーザ治療や下鼻甲介手術などがあります。免疫療法は注射による皮下免疫療法と舌下への液剤や錠剤を用いた舌下免疫療法があります。当院では舌下免疫療法をおこなっています。
舌下免疫療法について
舌下免疫療法にはスギ花粉症とダニによるアレルギー性鼻炎に適応があります。
- すぎ花粉症は約20%弱に治癒が期待できますが10~20%は治療効果がないと言われています。
- 抗アレルギー剤などの薬物の量が減らせる可能性があります。
- 治療効果に関して舌下免疫療法は皮下免疫療法と同等の可能性があるとの報告があります。
- 治療をやめた後もしばらくは効果の持続が期待できる可能性があります。
舌下免疫療法は皮下免疫療法に比べて比較的安全と言われていますが強いアレルギー反応を引き起こす危険性もあり注意が必要です。
副鼻腔炎
副鼻腔炎とは副鼻腔の炎症により鼻づまり、鼻水、後鼻漏、咳などの呼吸器症状に、頭痛、ほほの痛み、顔の圧迫感などを伴う病気です。
急性副鼻腔炎
発症から4週以内の副鼻腔の急性感染症です。
急性副鼻腔炎は急性中耳炎と並んで極めて頻度の高い病気であり、急性中耳炎と異なり小児のみならず成人にも好発します。
治療は抗菌薬などの内服、鼻の処置、ネブライザー、副鼻腔洗浄などがあります。点滴治療をおこなうこともあります。
慢性副鼻腔炎
副鼻腔炎が3か月以上持続する場合に慢性副鼻腔炎と呼ばれます。
粘り気のある膿性の鼻水や鼻茸(ポリープ)などを認めます。
治療は内服治療、鼻の処置、ネブライザーなどがあります。治療を行っても副鼻腔炎が改善されない場合は手術治療の適応になります。鼻茸が多い場合も鼻処置や薬物療法では改善し難く手術治療の適応になります。
嗅覚障害
鼻の奥の嗅裂(きゅうれつ)と呼ばれる場所にはにおいに関与した嗅細胞があります。
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などによりにおいが嗅裂まで届かない場合はにおいの障害をきたします。かぜなどのウイルスでにおいの細胞自体に障害をきたすと強い嗅覚障害をきたします。
治療はアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎に対しての治療やステロイドの点鼻などをおこないます。