当院で診療する喉や口の中のおもな病気についてご説明します。
掲載している病気以外も診療いたします。咳や喉の痛みなどお困りごとがございましたら、お気軽に受診ください。
急性扁桃炎・扁桃周囲膿瘍
急性扁桃炎は扁桃の陰窩(扁桃のくぼみ)から菌が侵入して発症します。
症状はのどの痛み、飲み込み時の痛み、発熱などがあります。
扁桃の強い炎症が周囲に及ぶと扁桃周囲膿瘍をきたすことがあります。膿瘍は左右どちらかの一側に溜まるため片側の強いのどの痛み、開口制限、しゃべりにくさなどが出現します。
治療は抗菌薬を使用し、水分補給の点滴をおこなうこともあります。膿がある場合は穿刺や切開による排膿が必要になることもあります。
急性喉頭炎
ウイルス、細菌などの感染症や声の乱用などで発症します。
感染症では発熱やのどの痛み、声のかすれ、咳、嚥下時の痛みなどの症状があります。
治療は全身や声の安静、原因となったウイルスで治療薬のある場合は抗ウイルス薬、細菌性の場合は抗菌薬などを使用します。吸入薬なども併用します。
急性喉頭蓋炎・急性声門下喉頭炎
急性喉頭蓋炎・急性声門下喉頭炎はともに呼吸困難が生じる可能性があり、入院加療が必要になる疾患です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時中の無呼吸を睡眠時無呼吸と呼びます。1時間に10秒以上の無呼吸・低呼吸が5回以上ある状態が睡眠時無呼吸症候群です。
症状は日中の眠気や居眠り、集中力低下などをきたします。
自覚症状のある人はSAS患者の30~40%と言われており、半数以上の患者は何も自覚症状がありません。コントロールしにくい高血圧や、心疾患、脳血管疾患などにも悪影響を与えるといわれています。
診断には問診や視診で睡眠時無呼吸に関与している部位を調べ、自宅で睡眠状態が確認できる簡易検査、入院による睡眠ポリグラフ検査(PSG)などがあります。
SASの程度によって治療方針も変わってきます。無呼吸が軽度から中等度の一部の患者に対しては、鼻やのどの治療、口腔内装置(マウスピース)、生活指導などを中心におこないます。中等度の一部から重度の患者には経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)が適応になります。
味覚障害
亜鉛が不足することで味の細胞の新生が遅くなり味覚障害がおこります。亜鉛不足の原因は不明なことも多く、その他に薬剤性、感冒、全身疾患などがあります。
治療として亜鉛が多く含まれている食事(牡蠣、レバー、牛肉など)の摂取、亜鉛剤の内服、薬剤性の場合は薬剤の中止、変更、減量などをおこないます。